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第50話 最高品質のサファイア

Auteur: 甘梨鈴
last update Dernière mise à jour: 2025-07-22 17:00:46

 それでも、ルシアンへの思慕を隠すことができなくて、エマは真っ赤な顔で俯いた。

「エマ」

「は、はいっ」

「この前案内してくれた紅薔薇(べにばら)離宮は、とても見事でした」

 ルシアンが気を利かせて、話題を変えてくれる。

 エマは赤い顔を気にしつつ、それに答えた。

「あ、はい! あの離宮は本当に素晴らしくて、何度訪れても、魅入ってしまいます」

 エマも、紅薔薇離宮を初めて訪れたときは、感激した。

 十四歳で王宮に来て、西殿(さいでん)で暮らしていた頃は、何かの折りに付けて、よく足を運んだものだ。

 けど、レオナールの婚約者に選ばれ、琥珀の館に移ってからは、離れに軟禁されて自由に出歩くことができなくなった。

 だから、先日久しぶりに訪れた紅薔薇離宮は、エマにとっても楽しい時間だったのだ。

 ルシアンも紅薔薇離宮を気に入ったのか、感心したように話し出す。

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